2021年10月

これは2019年10月に私たちが撮った動画です。

この飼い主は何年もの間ノーリードを繰り返しており、先日も動画の位置からほど近いところで同じ犬をノーリードにしているのを見かけたので掲載することにしました。

『犬を、はなさないでください!』と書いている看板の前で犬をノーリードにしているのを見たときは驚きました。

近くには児童遊具があり、保育園、小学校もあります。公園の外は子供たちの通学路にもなっています。

「ノーリード事例~file.6~」
2019年10月
東京都杉並区和田堀公園・児童遊具近く

飼い主はいろんな人から何度もノーリードを注意されていますが、ほとぼりが冷めると犬をノーリードにすることを繰り返しています。
杉並区和田堀公園は道路をまたいで公園がいくつかに分かれている大きな公園です。
動画とはべつの和田堀公園で、いろんな人が利用する公園の水道の蛇口から犬に直に水を飲ませているのも見てしまい、とても不快になりました。
犬をノーリードにする飼い主はノーリード以外のことにも配慮がない「他者への気づかいが欠けた人間」だということを痛感しました。

【杉並区・現在の状況】

杉並区では「杉並区和田堀公園」の他にも「夕日が丘」「済美グラウンド」でのノーリード率が高く、また人目がとどきにくい場所でも犬のノーリードは連日のように行われています。

ノーリードの犬による咬傷事件の裁判判決日に、私たちは司法クラブで記者会見をしました。
咬傷事件がテレビ、新聞、ネットで報道されると、毎日のように見ていたノーリードの犬を見かけなくなりました。
しかし記者会見から2週間後、ノーリードの犬を見かけました。

それを皮切りに再びノーリードの犬を見かける日常が戻ってきてしまいました。

現在、杉並区のノーリードは増えており、ロングリード(5m以上あるヒモタイプのリード)、人や犬がいても伸縮リードを何mも伸ばしっぱなしの飼い主も増加し、治安は最悪です。
「リードをしてください」と言っても逆ギレする飼い主もおり、愚かな飼い主達のためになぜこちらが危険な目に遭い、我慢を強いられなくてはならないのか……。

「動物愛護管理法」が改正し、「ノーリード禁止!厳罰に処す」と明記されなければ、ルールを守っている飼い主、犬が命をかけて散歩をしなくてはならない日常は続くのでしょう。

問題がある飼い主が生き続ける限り問題がある犬が育つ、それを見ている考えようとしない飼い主が真似をする、ノーリードの犬がいなくなることは無い、被害は無くならない…地獄のループが消滅することはありません。


1年後の2021年10月22日。
張り紙は剥がされ、このような状態に。
夕日が丘では夕方のノーリードが多いですが、朝も雨の日を除いて連日ノーリードが行われています。


【犬のノーリードはハラスメントでは?】

ハラスメントとは、他者に対する発言や行動により不快、不利益、脅威を与えることです。
本人にその意図がなかったとしてもハラスメントに該当します。
犬をノーリードにする飼い主は、ルールを守って犬を散歩をさせている人、犬が苦手な人やアレルギーがある人に「ハラスメント」をしていることになるのではないでしょうか。

うちのコは逃げないハラスメント

自分の犬はどんなことが起きようと、自分の側におり離れないという根拠なき自信で犬をノーリードにすること。


しつけができている・うちのコは賢いハラスメント

条例違反であるノーリードを平気でする飼い主が、「自分はしつけを理解している」「自分が育てた犬は賢いからノーリードでもいい」と思い込み犬をノーリードにすること


リードをつけると歩かないからハラスメント

「リードをつけると歩かないからノーリードにします」との言い分が世の中で通用すると思い込み犬をノーリードにすること。


体の具合が悪いからハラスメント

リードは少したるませて持つものでありピンと張るものではなく、リードにより体の具合が悪化するわけではない。リードの正しい使い方を知らない飼い主が犬をノーリードにすること。


老犬だからハラスメント

老犬でもノーリードであれば不快、脅威は感じることが分からない飼い主が犬をノーリードにすること。


犬が楽しそうだからハラスメント

そちらの犬が楽しそうでもこちらは不快、恐怖を感じることを理解していない飼い主が犬をノーリードにすること。


訓練しているハラスメント

過去何匹も犬を飼っていようと素人がしているのは「しつけ」
訓練はプロがするものであり、本物のプロなら訓練所を所有しており、公共の場である公園でノーリードにすることはないということを知らない飼い主が犬をノーリードにすること。


リードが落ちたハラスメント

なぜ直ぐにリードを拾わないのか。リードが落ちたならリードを足で踏めば、犬が自由に動き回れる状態にはならないと言われることを想定していない飼い主が犬をノーリードにすること。


大丈夫だからハラスメント

どんな犬なのか分からないので距離をとりたい、大丈夫かは距離を詰められる側が決めることである。「大丈夫だから」と自分の考えを押し付け飼い主が犬をノーリードにすること。


うちのコは大人しいハラスメント

自分の犬は大人しいから咬みつかないという根拠なき自信で犬をノーリードにすること。


うちのコは咬みつかないハラスメント

犬には肉を切り裂く歯があること、犬は人間とは違う種だということを理解せず「絶対咬みつかない」という根拠なき自信で犬をノーリードにすること。


小型犬だからハラスメント

小型犬にも肉を切り裂く歯がある。小型犬が咬みつけば全てが軽症で済むわけではなく、不快、恐怖を感じることを理解していない飼い主が犬をノーリードにすること。


「今回が初めて・ちょっとしかやってないハラスメント」
「みんなやってる・うちだけではないハラスメント」

ノーリードは条例で禁止されていることを知っており、ノーリード禁止の看板も見ているが「少しだけなら」「自分だけじゃないし」という自分勝手な欲望を抑えきれない飼い主が犬をノーリードにすること。


「何の嫌がらせなの!?ハラスメント」
「あんたには関係ないハラスメント」
「誰にも迷惑かけてないハラスメント」

以下、5つの⚫︎印が分からない飼い主が犬をノーリードにすること。

⚫︎ノーリードの犬に好意的なのは、犬を飼っていない、ノーリードが条例違反だと知らない人。ノーリードをする飼い主。犬を飼っていても犬を理解していない人である。

⚫︎よく知りもしない、親しくもない犬がノーリードだとただ不快であり、恐怖を感じるだけである。

⚫︎いつ襲われるか分からないので、犬にとっても飼い主にとっても命がけの散歩を強いられていることである。

⚫︎犬の毛によるアレルギーがある人は(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、結膜炎、気管支ぜんそく、呼吸困難、じんましん、皮膚炎)を引き起こすこともある。

⚫︎アレルギーで人は命を落とすことがある。


【リードをつけるのが悪なのではなく、欲望を抑えられないあんたが悪なのだ】

「犬に首輪やリードをつけるなんて可哀想」と言う飼い主がいますが、人間が犬を飼うと決め迎え入れた時点で犬は人間社会で生きていくことになり、自分の思うように動き回ることに制限がかかります。そういうことを想像しないまま、犬を迎え入れたのでしょうか。

「犬が自由に動けないなんて可哀想」「人間のエゴだ」と言うのなら「犬を飼うこと自体がエゴ」です。犬が「人間と暮らしたい」と言ったわけではないのですから。

それでも犬を飼いたい、自由に動けないのは可哀想と思うのなら、思うように動き回れるように土地でも購入してください。ノーリードをする飼い主達とお金を出し合えばいいのではないですか?
犬を飼育する上で大事なことは『リードをつけることにより犬に行動制限ができて可哀想』ではなく『人間社会で犬が危険な目に遭わない、他者に迷惑をかけないために行動制限が必要』と知ることです。
リードをつけ行動制限があっても『あなたのそばにいることが幸せ』だと思ってもらえるようにすることが大切なことではないでしょうか。